PC 天壌のテンペスト レビュー


     

        
             短時間で味わえる成長物語




※以下ネタバレ要素を含むので注意してください。
関連動画
 
 各評価(5段階)
システム  2
 良い点
● 天人心得はゲーム内で読む説明書となっており
  テキストファイルの説明書で読むより分かりやすくなっている。

● ゲームオーバーになっても徳点は維持されるので、全てがやり直しになるわけではない。
  しかし、徳点により強化できるのは技の種類が増えるスキルのみなので
  攻撃力や防御力、ライフ等を強化できない今作にとってはあまり救済措置にならない。
● アミュレットブレイクは原作でのスペルブレイクを意識したシステムで
  原作を再現しつつ、上手く今作で活かせたシステムとなっている。
● 道中ではストレスを感じる構成のステージが多く感じたが、ボス戦は中々歯ごたえが有り面白い。
  また、ボス戦でゲームオーバーになってもボス戦の頭からコンテニューできるので
  それほどテンポは悪くない。
● 最終章の緋想の剣戦では、ゲーム性が東方Projectシリーズで御馴染みのSTGに変わり
  ゲーム的にも変化が付き、最終戦への盛り上がりに貢献している。
 悪い点
● スタイル設定にて喜、怒、哀、楽に分けて各スキルを装備できるのだが
  喜怒哀楽はただの装備スロットという概念であり、特別能力に差が出るわけではない。
  他に中々類を見ないタイプの装備スロットの名称なので覚えにくい。
  また、スキルの名称も覚えにくいものばかりなので
  どのスロットにどのスキルを装備したか忘れることが多々ある。
● 徳点昇華では各スキルの習得ができるようになるのだが
  最終的には1週目で全てのスキルを習得できるので個性が出ない。
  また、スキルは数多く習得できるのだが、どのスキルもいまいち強さを実感できないので
  結局自分に合ったスキルばかり使用することになる。
● 今作での回復手段は自動回復での回復手段となっているが
  全快するまでに時間がかかり、敵からの激しい攻撃を掻い潜りながらの回復は困難である。

  また、こちらにはライフゲージは存在せず、キャラクターの周囲にある円の色で判断しないとならないので
  一見して分かりにくい。
● 敵の攻撃を回避ですり抜けると気質掌握状態となり、気質掌握状態で敵を剣撃すると天候発現となる。
  天候発現状態になると自身に様々な恩恵が得られるのは良いが
  天候発現状態を利用したステージの謎解きやギミック発動が分かりづらく、困難でストレスが溜まる。
● 落とし穴は割と多く用意されており、不意のゲームオーバーによりストレスを感じることがある。
  また、落とし穴の付近に敵が配置されていることが多い。

● 上、下押しっぱなしにすることによって画面を見渡せる範囲を拡大することができるのだが
  見渡せる範囲が狭く、結局落とし穴の場所が分からずゲームオーバーになることが多々ある。
● 操作中にも画面左下にて会話が進行するのだが、操作中は読んでいる余裕は無いので
  キャラクターボイスを起用して喋るようにしてほしかった。

● 台詞の文章が続けて表示されるとき、前の文章も継続して表示されるので
  前の文章を二度読みしてしまうことが多々ある。
● ストーリークリア後更に挑戦という各ゲームモードが追加されるのだが
  どれも高難易度で個人的には蛇足に感じ
  せっかくストーリーが気分良く終えられたのに萎える要素に感じた。
  修練は
天人演舞、天人組手、天人五衰へ挑戦する際のスキルやコンボの練習や確認ができるので
  必要といえば必要なもの。
  天人演舞では制限時間内にコンボを叩き込む(主な目標としては実績の解除)のだが
  制限時間が10秒と短く、また、失敗してもすぐに再挑戦できずに
  選択画面に戻ってからまたやり直さなければならないのでテンポが悪い。
  天人組手ではボスとの連戦となるが、ゲームオーバーになるとコンテニューはできない。
  上級者向けのモードと割り切ればぎりぎり許容できるが、クリアするまでにはそれなりに苦労する。
  天人五衰では完全にゲームシステムを理解し、敵の攻撃パターンも把握しなければクリアは難しく
  個人的にはそれらを覚えるのは面倒で、攻略サイトも見当たらないので
  数回プレイしてクリアはせずに今作を終了としたので、後味が悪くなってしまった。
  実績では恐らく天人組手、天人五衰のノーダメージクリア関連の実績があると思われるので
  単純に
天人組手、天人五衰をクリアしただけでは今作を完全にクリアしたとは言えず
  完全クリア(全実績解除)を目指すなら相当な時間を消費し、苦痛も味わうことになると思われる。
  また、実績解除率によって設定資料が追加されていくが
  上記の通り全実績解除するには相当の時間の消費と苦痛を要する。

 その他
● 打撃、剣撃には派生技のようなものが存在するが
  個人的には全て覚えきることはできず、大体同じようなパターンの技(コマンド)ばかり使うようになった。

● スペルカードは強力といえば強力だが、射撃にも消費する気質を大量に消費し
  また、当たり判定の条件もあるスペルカードも少なくないので、使用するデメリットも大きい。
  もっと気質の上限があれば常に気を配る必要もなく、使用できると思うのだが。
  または、スペルカードはスペルカードで単体のゲージを用意する等。
● スタイル抑圧による抑圧解放は攻撃力や徳点が増加するとのことだが、いまいち実感が沸かない。
2Dグラフィック  4
 良い点
● 様々なPCモニター解像度に対応しており、プレイヤーの環境に合わせられるようになっている。
  個人的には1920×1080でプレイしたのだが、流石に多少はぼやけて見える。
● デフォルメされたキャラクターながらも、ドットは割と細かく動きも滑らかで
  モーションパターンも多めな方である。

● キャラクターの仕草等も可愛らしく表現できている。
● フレームレートはプレイヤーのPCスペックにもよるだろうが
  最大60fpsは出るようで、ボス戦時でも60fps維持できている。
  また、プレイ画面右下にfpsが表示され、常に確認できるようになっている。
● スペルカード発動時には躍動感のある高クオリティーなイラストによるカットインが入る。
  欲を言えばスペル毎に異なったイラストを入れてほしかった。
● 原作で御馴染みの美麗な弾幕(攻撃エフェクト)は、今作でも引けを取らずに美麗に描かれている。
 悪い点
● OPとEDに使われている一枚絵はパッケージ画やカットイン画と比べると
  クオリティーに差があり違和感を感じる。
● ウィンドウモードでは解像度は選択できないので、少々使い勝手が悪い。

3Dグラフィック  -
操作性  2
 悪い点
● 射撃、打撃の派生技や回避といったアクションは、2D横スクロールACTでは珍しく
  慣れるまでは操作がやや困難である。
● 攻撃は敵から離れていると射撃になり、敵に近いと打撃になる。
  この操作方法では操作しづらく、誤動作も多い。
  せっかく環境設定でボタン配置を変えられるのだから
  打撃と射撃を分けて設定できるようにしてほしかった。

ストーリー  4
 良い点
● 最終章で説教される側の天子が衣玖に説教するくだりは熱くて良い。
● 緋想の剣戦の前に、今まで戦ってきた者のことを振り返り覚悟を決めるシーンは
  それまでのプレイ時間は短いものの、道中の苦楽を振り返ることができ
  天子の成長物語が短時間にて味わえる良いストーリーとなっている。
● エピローグは調度良い長さで展開し大団円で終わるので、気持ち良く晴れた気分で終わることができる。

 その他
● 原作である東方緋想天の後日談的な内容になっていて
  原作の知識無しでプレイするとなると内容を把握しづらい。
● 終盤までは伏線が張られ、独特の言い回し含めいまいち内容に乗れなかったが
  最終章での八雲紫の語りによって一気に伏線が回収されるので
  理解できないまま終わるといったことはない。
サウンド  4
 良い点
原作が元々優良曲揃いなので、原曲のアレンジが揃う今作も自ずと優良曲揃いとなるが
  今作では全体的に良曲が多く、アレンジも様々なジャンルに挑戦しており耳に残る。

  やはりお勧めはボスとの戦闘曲となる。
● 音量バランスは調度良いので、自分の好みの音量に設定するだけで良い。

 その他
● 欲を言えばキャラクターボイスが欲しい。
キャラクター  4
 良い点
● ボスキャラクターは主人公である天子とは
  原作では直接関係の無いキャラクターで構成されており、新鮮さがある。

  そもそも天子が主人公で操作キャラクターということ自体が新鮮。
● ボス含め登場キャラクターは、原作である
東方緋想天には登場していないキャラクターが多く
  また、珍しい人選でもあるので、掛け合い等も新鮮に感じる。
● 中盤からの案内役となる封獣ぬえは序盤は天子を煽ってばかりいたが
  終盤では天子を逃がすために足止めになって戦う等の心境の変化が面白く
  ストーリーを盛り上げることに大きく貢献している。

デザイン  3
 良い点
● ゲーム中盤から案内役のキャラクターが交代するのが、気分転換や変化が付いて良い。
● ボスとの対戦前の掛け合いからの演出はテンションアップに繋がって良い。

● UIは和に徹したデザインであり、シンプル且つ鮮やかで見やすい。
  戦闘画面のUIは分かりづらい面もあるが、ビジュアルとしては良い。
 悪い点
● 天子の走り方のモーションは女性特有の走り方であり
  アクションゲームとしては格好良さに欠け、違和感がある。
● 雑魚敵の種類は非常に少ない。

● キャラクターのイラストやドットのデザインは良いが、ステージのデザインが単調なデザインとなっている。
 その他

● キャラクターのデザインはイラストレーター1名が担当しているようだが
  パッケージ画、会話時のフェイスアップ画、カットイン画等
  どれも異なった画風をしており、ある意味で凄い。

● 大体のキャラクターはグラマラスな体型をしており、原作のイメージとは少々離れている。
  因幡てゐのグラマラスぶりには流石に笑ってしまう。
● 最後のボスは緋想の剣となっていて、ゲーム性がSTGに変わるのは面白いのだが
  最後のボスのビジュアルとしては少々弱い。
オプション  3
 良い点
● 音量調整可。

 その他
ボタン配置は可能だが打撃/決定、剣撃/キャンセルのように
  同一のボタンにしか割り振れないものもあるので、あまり自由に設定できない。
快適さ  2
 良い点
● ロード時間は短め。

 悪い点
● 今作にはダッシュのアクションは無く
  代わりに回避アクションがダッシュと兼用のような存在になっているのだが
  回避は霊力を消費することになり際限無く使用できるというわけではない(霊力は自動回復)ので
  少々爽快感やテンポに欠ける。

● 今作は2D横スクロールACTでは定番の残機の概念はなく
  倒されたりすると即ゲームオーバーになり
  コンテニューすると章の初めからプレイすることになるのでテンポが悪い。

 その他
● 今作でのチュートリアルはプレイ中シームレスに表示されるタイプなので
  テンポ良く覚えられることができるのだが、一部説明されないアクションもある(または記憶に無い)ので
  全てのアクションを把握したい場合はやはり説明書を読んだ方が良い。
熱中度  2
 良い点
● ストーリーをクリアするまでは独特なシステムや嫌らしいギミックによりストレスは感じるものの
  ストーリー内容は大団円で終了し気持ち良く終わるので、クリアまでプレイする価値はある。

  終わりよければ全てよしとも言える。
 悪い点
● ストーリークリア後のゲームモード、挑戦はどれも高難易度のものばかりで
  完全クリアを目指す(最終的には全実績解除)なら相当な時間の消費と苦痛を要するだろう。

  また、攻略サイトは見当たらず、敵の攻撃パターン等を覚えるモチベーションは出ないので
  天人組手をクリアして今作を終了とした。
  個人的には挑戦モードは蛇足で、せっかく気分良くストーリー(ゲーム)が終わったのに
  その後挑戦モードが出現し、全てをクリアするには至らなかったので
  後味が悪くなってしまった感が否めない。

総合点 42/100
  B.jpg
  プレイ時間 約5時間以上10時間未満
 
ゲームレビューについて
※グラフィックは発売年での評価です。
余談
  アクション部分は他作でいうデビルメイクライシリーズや
  ニンジャガイデンシリーズの2D版といったところで
  オフラインでの自分のプレイ技術に酔うといったゲームスタイル。
  ゲームクリア後に追加される挑戦モードではそれが如実に感じ取れる。
  本編のアクション部分に関しても、攻撃の派生技や天候発現等
  原作再現のシステムが難易度を上げ、足を引っ張っているように感じた。
  それ故にライトゲーマーはアクション部分に関しては
  それほど楽しめるといったことはないのではないだろうか?
  アクション部分に関しては個人的には期待値以下ではあったが
  ストーリー部分では逆に期待値以上(そもそもアクションゲームのストーリーは重要視してない)であり
  熱い展開や、感動する展開が有ったりと、思わぬところで楽しむことができた。
  ストーリーの落ちも騒動は解決し、日常に戻るという原作シリーズにちなんだ大団円にて終了している。
  グラフィックに関しては、少々ステージが単調に感じたが
  横スクロールACTとしては及第点以上のドットグラフィック、躍動感のあるカットインイラスト
  和に徹してシンプル且つ鮮やかなUI等、ビジュアル面は良くできている。
  BGMは原作シリーズのアレンジ曲となるが、様々なジャンルのアレンジに挑戦しており
  どれもが良曲以上であり、特にボス戦のBGMが印象に残りお勧めである。
  個人的にはゲームクリア後の追加が蛇足に感じた今作。
  できれば気分の良いまま終了したかったが、あくまでも無料の追加アップデートによるものなので
  それをどう受け取るかはプレイヤー次第だろう・・・






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