PSV 東方蒼神縁起V レビュー


     

        
       トロフィーという呪縛から解き放たれるRPG




※以下ネタバレ要素を含むので注意してください。
関連動画
 
良い点
原作を意識した独自のシステムシステム
  原作のスペルカードやラストスペルは今作では符装として装備可能で
  そのスペルカード等も原作にちなんだものとなっている。
  また、それらを使用するにはボムを消費したりと独自のシステムになっている。
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  地相は属性の強さに影響し、点符等も今作では経験値として存在する。

シンプルな合成システム-システム
  香霖堂は素材を消費して新しいアイテムを錬金できるいわゆる合成屋に位置する。
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  素材を除くアイテムは基本的に1種類につき1つだけ錬金可能で
  ややこしくなくシンプルで分かりやすい。アイテム1つ1つに存在価値があるといった感じ。

図鑑による情報閲覧可-システム
  図鑑では今までの戦績が閲覧できるほか、妖怪図鑑や陣形図鑑
  ダンジョンでの未回収宝箱の場所がわかるという便利な機能が付いている。
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  更に射命丸文でみやぶった敵は説明欄が追加され
  新キャラクターの稗田阿求の幻想郷縁起技能も閲覧することができる。

指揮官による少しでも多くのパーティーイン-システム
  個性的で魅力のあるプレイアブルキャラクターが多数存在する今作。
  しかし、あまり戦闘に参加できる人数が増えると、コマンドが手間になる上にバランスも崩れやすい。
  そのジレンマを考慮して作られたかはわからないが
  解決するに至るシステムがこの指揮官システムである。
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  指揮官のキャラクターは間接的に戦闘に参加する。
  各指揮官によってパーティーに様々な恩恵を与えたり、支援を行ったりすることができる上に
  指揮官自体にも経験値が入るという特殊な立ち位置な存在。
  今作で16:9の画面比率に対応し、戦闘画面にスペースが出来たので指揮官も表示してほしかった・・・

全滅することによるペナルティは無し-システム
  他のRPGより難易度が高く全滅することも珍しくない今作だが
  今作では全滅することによって経験値や獲得アイテムが無駄になるといったペナルティは無い。
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  難易度が高く、トライ&エラー性も含んでいる今作においてペナルティは無いほうが調度良い。
  ちなみに全滅時には一言ヒントが貰えるメリットまである。
  とはいえ、全滅するとステージの最初からになるので全滅しないに越したことはないが・・・

キャラクターのドットパターンが豊富-2Dグラフィック
  キャラクターのドットパターンは非常に多くコミカルに動く。
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  中には1つのイベントでしか使われないようなパターンもあり、非常に手が込んでいる。

装備した武器がグラフィックに反映される-2Dグラフィック
  武器のみではあるが、武器1つ1つに専用グラフィックが用意されており手抜きを感じさせない。
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  個人的にこういった作り込みは好印象である。


オリジナル曲も良い-サウンド
  今作は原作のアレンジ曲と今作オリジナルの曲で構成されていて、曲数はかなり多い。
  オリジナル曲はあまり多くないのだが、どれも外れがなく良曲ばかり。
  また、序盤、中盤、終盤ステージによって戦闘曲が切り替わる点も飽きさせず良い。
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  個人的に今作のお気に入り曲1、2を挙げるとすれば
  奇しくもオリジナル曲である開発サークルのゲームで恒例と言われていて
  主にオリジナルキャラクターのボス戦に使われる曲「OUT ~ Eastern-Fantasia」と
  蒼神異変と怨嗟異変のラストバトルに使われるオリジナル曲「ラストバトル」である。
  特に「ラストバトル」が合体した三女神の演出と同時に流れた時はかなりテンションが上がった。
  (その後すぐに全滅したが。)
 
複数のプレイアブルキャラクター-キャラクター
  今作のプレイアブルキャラクターは全部で18人おり
  RPGのプレイアブルキャラクターとして見ると非常に多い。
  また、キャラクター1人1人に個性的な能力が有り
  他のキャラクターと被ることなく調整されているのが凄い。
  ただし、当然強キャラクターや弱キャラクターは存在し
  例えば防御支援キャラクターであるアリスはほぼ必須とも言えるキャラクターになっていて
  ボス戦での参加パーティーで常連になるキャラクターである等
  見た目等の好みで固めたパーティーでボスに勝つことは困難になっている。
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  今作で追加された新キャラクター稗田阿求は
  自らが倒した敵を幻想郷縁起に記すことで追加ステータスアップを得る特殊なキャラクター。
  成長度合いによってトップ支援キャラクターになり得る存在。

オリジナルキャラクターは個人的にアリ-キャラクター
  今作は原作の東方Projectのキャラクターに加えて、開発サークルオリジナルのキャラクターも登場する。
  そのオリジナルキャラクターは全て今作の敵主要キャラクター(後に1人プレイアブル化する)であり
  ストーリーの発端となる異変を起こした張本人達となっている。
  オリジナルキャラクターは全て水棲生物を妖怪化したものとなっており
  今作、東方蒼神縁起Vのテーマになぞらえたデザインとなっている。
  これらのオリジナルキャラクターは東方Projectの世界観に合わせて作られており
  場違いな雰囲気はそれほど感じさせない。
  初めこそ違和感を感じるが、個人的にはゲームを進めていくうちに慣れていった。

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  ゲーム中盤、オリジナルキャラクターが登場してからは
  それまで淡々としていたストーリーに明確な目的等のストーリー性が生まれ
  ゲームを盛り上げるのに一役買っているように思う。
  オリジナルキャラクターに拒否反応を示す人もいる?らしいが
  そもそも雑魚敵からして大半がオリジナルであることを念頭に置いておいた方が良い。
  ちなみにオリジナルキャタクターで1番のお気に入りはヴィオトポスだが
  残暑編開幕にて退場してしまった・・・
 

和洋折衷なデザイン-デザイン
  UIのデザインはどことなく中国風に感じる。
  ステージは和洋折衷な感じで若干和物の方が多い。
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  特筆すべきはコマンド選択画面のHUDデザインで
  各キャラクター毎にクオリティの高いHUDイラストが用意されている。


戦闘エフェクトOFF有-快適さ
  簡素ではあるものの、戦闘エフェクトをOFFにすることで戦闘にかかる時間を短縮することができる。
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  何度もリトライして見飽きたステージや、レベル上げ時等に助かる機能である。

ダンジョン内ではどこでも瞬時に脱出可-快適さ
  ダンジョン内の戦闘中以外であれば、どこにいても何も消費することなく瞬時に脱出することができる。
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  1度ダンジョンから出ると敵シンボルが復活してしまうが
  パーティーのMPが全回復するので頻繁に使用することになる。

悪い点
まだまだ高い難易度-システム
  PC版よりは難易度が低く設定されているようだが、個人的にはやはり難易度がまだまだ高く感じた。
  苦労してステージをクリアしてもその次のステージで苦戦する。
  常に苦戦を強いられるのでうんざりすることもしばしばある。

  難易度が高く感じる原因として、属性の多さや
種族の多さ、状態異常の多さ等がある。
  まず属性は火水地雷光闇といった御馴染みのものに加え、魔や無属性といったものもある。
  これらの属性には当然有利不利の相性があるので見極める必要がある。
  更には神霊結界といった特殊な防御能力を持った敵もいるので
  それらに慣れて対応できるまでは苦労するだろう。

  次に種族だが、これは明確に種族=弱点とも言える。
  各種族には弱点が存在するというよりは、有効な武器や能力が存在するので
  種族に合わせた武器や能力を装備すれば有利になるといった感じで
  属性と種族である意味2つ弱点が存在する形になっていて少々ややこしくなっている。
  また、敵の持つ属性の数によって複数弱点が有り、複数耐性が有るということにもなる。

  最後に状態異常だが、毒、睡眠、麻痺、沈黙、狂戦士、石化、即死、呪い、魅了等に加え
  攻撃低下上昇、防御低下上昇等といったステータス状態異常も含めかなりの数である。
  状態異常が多いのは結構なことだが、この状態異常攻撃を雑魚敵が頻繁に使用してくるのが厄介で
  全体麻痺攻撃や全体石化攻撃等を使用する敵が各ステージに必ずいると言ってもいいぐらい出現する。
  また、ボスの中には全体即死攻撃や、致死レベルのダメージを持った攻撃をしてくる敵もいる。
  当然初見ではこれらの状態異常攻撃に対処できず、遭遇した瞬間に全滅というパターンも珍しくなく
  そういったある意味掟破りな難易度にうんざりしてモチベーションが下がる人も少なくないだろう。
  追加エピソードに位置する残暑編で各討伐対象のボスがこういった戦法をするのなら分かるが
  本編時点、それもゲーム序盤(太陽の畑辺り)からこういった戦法をする敵が出てくるのは正直堪える。

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  実際に本ゲームの蒼神異変(本編)クリアのトロフィー獲得率は
  ゲーム配信から約3ヶ月経った2016年8月2日現在で7.0%と非常に低く
  途中で折れて詰んでしまった人が多いことを如実に表している。
  ちなみに残暑編クリアトロフィー獲得率は2.6%。

敵ドットにも動きがほしい-2Dグラフィック
  味方キャラクタードットはよく動き高いクオリティーであるのだが
  敵キャラクターのドットは1パターンのみで、攻撃等は全てエフェクトのみなのが物足りない。
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  せめてボスキャラクターぐらいは動いてほしかった。
  移動や跳ねる等の攻撃演出は有るには有るのだが、通常ドットそのままで動くので迫力が無い。
  そのせいもあり、三女神が使用する攻撃のマッスルレボリューションの動きはかなり無理がある。


キーレスポンスが悪い-操作性
  修正パッチ配信で多少改善されてはいるが
  今作は戦闘時、メニュー画面操作時等のキーレスポンスが悪く
  例えば戦闘時なら各コマンドを選択する際に若干遅延を感じたり
  コマンドを決定する際に
  ボタンを長押ししている訳ではないのに長押ししたような反応になってしまったりと
  操作性に不満を感じる。
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  Powの振り分けも同様に改善されてはいるが、まだレスポンスの悪さを感じる。
  また、個人的にはコマンド選択の際のキー操作が反転していたり
  本ゲームのL1R1キー入力が
Vita TVではL2R2キー割り当たっていたりといった部分が気になる。
 

プレイ時間の9割は戦闘-ストーリー
  主なストーリーの流れは
  怪しいと思う場所に行く→仲間とちょっとした会話→ボスとちょっとした会話の繰り返しであり
  会話やイベントが短い上に同じパターンが何度も続くので飽きる。
  また、キャラクター数が多い故のデメリットとして
  会話時に主要キャラクター以外は一言二言あるだけで、あまり発言しなくなってしまっている。
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  ゲームの始まりこそ和の雰囲気を持った壮大な冒険譚を期待させたが
  実際は戦闘が大半を占め、期待が叶うことは無かった。
  とはいえ、ゲーム中盤の三女神が登場してからはストーリーらしさが生まれ
  蒼神異変の落ちや怨嗟異変の落ちはすっきりとした大団円にて終了している。
  しかし、個人的には蒼神異変クリア後に展開する怨嗟異変はやや蛇足感を感じたのが惜しい。

難解で迷路のようなステージ-デザイン
  今作は迷路のようなステージの中、ギミックを起動して進むという謎解き要素を含んでいる。
  ゲーム中盤からはどのステージも苦戦必至なので
  強敵が蔓延る迷路のようなステージの謎を解きながら進むのはかなりストレスが溜まる。
  また、ショートカット開放前に全滅してステージやり直しとなった時のストレスは計り知れない。
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  ゲーム序盤にして今作トップクラスに難解なステージ、太陽の畑と永遠亭で詰む人も少なくないと思われる。
  特に永遠亭の無限回廊は、攻略情報無しの初見では相当に彷徨うことが予想される。
  嫌味等ではなくこの辺りで心折れそうな人は
  ここでこのゲームを終了した方が今後ストレスを抱えずに済むとも言える。

本アプリ起動中は他のアプリの起動不可-快適さ
  本アプリ起動中は、PlayStation Storeアプリにしろトロフィーアプリにしろ
 
本ゲームアプリを終了しなければ起動することはできない。
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  例えば今作プレイ中に獲得したトロフィーをすぐに確認したい場合は
  本ゲームを終了しなければ確認できない。
  フォトアプリも同じで、今作のスクリーンショットを撮ってすぐに確認したい場合も
  一々ゲームを終了しなければならないのが不便。
  ここまでバックグラウンド周りで融通が利かないのは個人的に今作が初である。

頻繁に挟むロード-快適さ
  まず本アプリ起動時のロードにかなりの時間を要する。
  ちなみに本ゲーム中にセーブデータをロードをする機能は無いので
  途中からやり直したい場合は、アプリを起動し直す度に長いロード時間を要することになる。
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  また、各ステージに入る前、戦闘前、イベント前等、大なり小なりのロードが頻繁に挟む。

前準備が面倒-快適さ
  基本的にボスや強敵には様々な属性や耐性、種族が設定されており
  それらに合わせてその都度装備や符装、Powを振り直さないとボスや強敵に勝利することは難しい。
  試行錯誤しながらこの工程を行うので
  下手すれば30分以上各ボス戦の前準備に時間を費やすことになる。
  更にパーティーメンバーを分割して進めるステージもあるので
  分割した分だけ前準備の工程が増えることになる・・・
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  雑魚敵の中にも状態異常攻撃や即死攻撃をしてくる敵がいるので
  それらに合わせた前準備も行わなければ、ゲームを進めることは難しい。
各評価(5段階)
総合点  5/10
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プレイ時間 約180時間以上250時間未満
  レビュー対象ゲームバージョン1.0.3

ゲームレビューについて
※グラフィックは発売年での評価です。
余談
  ストーリー内容が薄く、高難易度な戦闘に一部定評があるようだが
  それならもう装備とかレベルとか自分で条件選択して挑戦する
  戦闘シミュレータでいいんじゃないかなと思わなくもない。
  僕の持論だが、RPGはストーリーと戦闘の面白さどちらかが欠けたら成り立たない。
  RPGは壮大なストーリーでテンションが上がった状態から
  ほどよい難易度で戦闘をすることで満たされるのだと思う。
  だからクリアして別のゲームを1から弱い状態で始めることにも面白さを感じる。
  要はストーリーと戦闘で成長していく過程が醍醐味だと思う。あくまで個人的に。
  しかし、今作のストーリー内容は薄く、最初から最後まで常に苦戦であり
  その成長の過程を味わうことはあまりできない。
  RPGでの戦闘難易度にこだわるとやはり状態異常やら属性やらが増えてしまうのは必然で
  今作は戦闘方面に偏りすぎてしまったのではないかと思う。


  アップデートで改善されたとはいえ、今現在でも稀にバグに遭遇することがある。
  そしていつかは来るだろうと思っていたトロフィー関連のバグが今作で起こってしまった。
  今作のトロフィー「有能な司令官」のトロフィーが獲得できないのだ。
  詳細にはファイナルバーストという陣形を獲得すればこのトロフィーを獲得することができるのだが
  ファイナルバースト修得の条件を恐らく満たしているのに、どうあがいても修得できないのである。
  原因は恐らく度重なるアップデートの影響で、ゲーム内情報が一部バグってしまったのだと思われる。
  特にゲームバージョン1.0.2は公式に配信停止されるほどのいわく付きで
  そのバージョンのまま進めてしまったのが濃厚だと思う。
  まぁ、年々トロフィーの獲得作業に嫌気が差してきていたのは事実であり
  長時間かけたゲームのセーブデータ紛失か
  バグで強制的にトロフィーが獲得できなくなる状況を内心望んでいたのだが
  今回見事に後者の条件が叶ってしまったということになる。
  もちろん最初からやり直せば獲得することは可能だと思われるが
  今まで進めてきたセーブデータで、陣形ファイナルバーストを修得することはできないのは事実であり
  完全にモチベーションが消え、トロフィー厨を辞める時が来たのだと実感した。

  と、不満の方が多くなってしまったように見えるが
  トロフィーの呪縛から解放してくれたある意味記念すべき、ある意味偉大な作品でもあり
  割とトロフィーはどうでもよくなったので
  DL版で購入済みの続編「東方幻想魔録~祭(PC)」を
  始めてもいいかなと思ったりもする(始めるとは言ってない)






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